2016年03月01日

☆1か月単位の変形労働時間制

 法定労働時間は1日8時間1週40時間として定められている。これを1か月で均すとどうなるか、「40時間×暦日数÷7日」でもとめた数字になる。つまり、

1か月の暦日数 1か月の法定労働時間
31 日 177,1 時間
30 日 171,4 時間
29 日 165,7 時間
28 日 160,0 時間

となる。
 この時間までは「法定労働時間」として時間外の対象外となるはずだが、1日8時間や1週40時間の壁にぶつかり、土・日・祝日を休日としている事業所では大抵、月間で上記表の時間内であるにも係わらず時間外手当の対象になる場合が多々ある。そこで、その壁を少し柔軟にしたものが「変形労働時間制」である。ここでは表題通り「1か月単位の変形労働時間制」を紹介しよう。例えば“月末月初にどうしても業務が集中する”といった事情があり月内で緩急をつけられるのであればこの制度はとても有効である。
 1日や1週の壁を取り払うことができるので、1日10時間や1週50時間となっても上記表の範囲内であれば法定時間外とはならないのである。また、1日6時間としていた日に残業が発生した場合でも時間外の対象となるのは8時間超の部分であり、1週40時間超の部分である。ただし“月間の法定労働時間以内であれば”である。
 この制度を利用するための条件は以下のとおりである。
1.制度を利用することについて「労使協定の締結」または「就業規則の定め」とし労働基準監督署に届出る。
2.対象労働者の範囲を明確に定める。
3.起算日を定め、当該1か月の各日の労働時間を具体的にあらかじめ定めておく。
 もちろん、ただ定めるだけでなく従業員へ周知させることが重要なのは言うまでもない。計画的に利用できれば、手当削減という経費面はもとより、従業員にとっても早帰りの日の終業後をリフレッシュタイムとして有効利用できるようになる。


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2016年01月01日

☆労働者派遣法 H27改正後

 平成27年9月30日以降、特定労働者派遣と一般労働者派遣の区別は廃止され、全て許可制となった。そしてその許可基準の内容は、派遣労働者にとって安定した基盤となるよう盛り込まれている。平成24年に厚生労働省が実施した実態調査によると、派遣労働者の43%が「正社員として働きたい」と答ええている一方、43%は「派遣として働きたい」と希望している。このような実態に踏まえ正社員となる道を拡げる施策および派遣労働者としての待遇改善を図る施策が盛り込まれている。また派遣先にとっても、受け入れ基準の明確化が課されている。主な概要は以下のとおりである。
◆労働者派遣の期間制限 3年
・事業所・組織単位
・個人単位
 同一組織に異なる人物を派遣することや同一人物を別の組織や事業所に派遣することは可だが、派遣先が派遣労働者を指名することは人の特定にあたりNGとなる。
例外として、
 1. 派遣元事業主に無期雇用される派遣労働者を派遣する場合
 2. 60歳以上の派遣労働者を派遣する場合
 3. 終期が明確な有期プロジェクト業務に派遣労働者を派遣する場合
 4. 日数限定業務に派遣労働者を派遣する場合
(1箇月の勤務日数が通常の労働者の半分以下かつ10日以下)
 5. 産休・育休・介休等を取得する労働者の業務に派遣労働者を派遣する場合
は、期間制限の対象外である。
◆意見聴取
 事業所単位の期間制限による3年の派遣可能期間を延長しようとする場合は、期間制限の1箇月前までにその事業所の過半数労働組合等から意見を聴く必要がある。
 1. 事業所・延長期間を書面で通知
 2. 参考資料の提供(労働者数の推移・個々の派遣労働者の受入期間等)
 3. 意見聴取後以下の事項を書面に記載し、派遣期間終了後3年間保存
    ・過半数労働組合の名称または過半数代表者の氏名
    ・労働組合等に書面通知した日及び通知した事項
    ・意見を聴いた日及び意見の内容
    ・意見聴取後、延長する期間を変更したときは、その変更した期間
 派遣受け入れの継続の是非について労使間で実質的な話合いがなされなくてはならないということである。
また、過半数代表者が、民主的な方法によって選出されたものではない場合は、事実上意見聴取が行われていないものと同視して、労働契約申込みなし制度の対象となるとされている。
◆雇用安定措置(派遣元事業主の義務)
 ●対象者(就業継続を希望する派遣労働者)
  1. 同一の組織単位に継続して3年間派遣される見込みがある方
    →下記①~④いずれかの措置を講じる義務
  2. 同一の組織単位に継続して1年以上3年未満派遣される見込みがある方
    →下記①~④いずれかの措置を講じる努力義務
  3. 上記以外で派遣元事業主に雇用された期間が通算1年以上の方
    →下記②~④いずれかの措置を講じる努力義務
 ●内容
  ① 派遣先への直接雇用の依頼
    ・派遣終了後に、本人に直接雇用の申込をしてもらうよう依頼
    ・直接雇用に結びつかなかった場合は②~④を追加措置
  ② 新たな派遣先の提供
    ・待遇等に照らして合理的な「新しい派遣先」を確保し提供
    ・無期雇用としたうえでこれまでと同一の派遣先に派遣
  ③ 派遣元事業主による無期雇用
    ・無期雇用とし、自社で就業させる
  ④ その他雇用の安定を図るために必要な措置
    ・新たな就業の機会を提供するまでに行う有給の教育訓練
    ・紹介予定派遣
※労働契約申込みなし制度【平成27年10月1日施行】
 派遣先が下記の違法派遣を受け入れた場合、その時点で、派遣先が派遣労働者に対して、その派遣元における同一条件で労働契約の申込をしたものとみなす。
・労働者派遣の禁止業務に従事させた場合
・無許可の事業主から労働者派遣を受け入れた場合
・期間制限に違反して労働者派遣を受け入れた場合(H30年以降に該当)
・偽装請負の場合
 派遣先が違法派遣に該当することを知らず、かつ、知らなかったことに過失が無かった場合を除くが、法の不知は該当しない。つまり、この法を知らなかったという言訳は通用しない。


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posted by つぼみ応援団 at 08:58| Comment(0) | 法令への対応 | 更新情報をチェックする

2015年12月01日

☆労基署の臨検

 労基署が行う臨検には3パターンがある。労基署が自ら計画的に行う「定期監督」・労働者からの申告により行う「申告監督」・労働災害の発生を機に行うものの3つである。
 2つ目、3つ目については当然にその因となったものを重点的に視るのだが、それはそれとして労基署の監督官が気にするポイントとはどういった点なのか…以下にまとめてみた。
・労働条件通知書
「書面で」かつ「基本的事項を満たしているか」、なかでも、有期労働契約の更新の基準の明示・賃金支払い方法の明示・等が漏れていないか。
・就業規則
周知できているか、これは直接労働者に声を掛けて確かめられると考えた方がよい。
・労働時間制度
変形労働時間制を取り入れている場合などにその手続き、仕組みについて法令どおりになされているかを見られる。また、就業規程や労使協定等を経ているか、単位分のシフトが前もって組まれているかもチェックされる。
・36 協定
労働者代表選出が適法に行われているか、代表者の周知がされているかについても、直接労働者に声を掛けて確かめられる。
・その他労使協定
法定控除以外の控除を賃金からしている場合、それに関する労使協定の締結が適法になされているか。
・賃金支払い
 賃金から控除できるものは事理明白なもの(はっきりした債務関係があり控除協定をしている)に限定されているか、割増賃金の支払につき、除外する賃金が法に準拠されているか、定額時間外手当を採用する場合は「○時間分」を明示しているか、等である。
・年次有給休暇
管理簿が作成されているか、各人が残日数を把握できているか…。
・労働時間の適正管理
時間外数・深夜時間数について、賃金台帳に記録されているか、労働者名簿が整備されているか、労働者名簿は退職後 3 年まで保存されているか…。
・健康診断の実施
年に1回(深夜業を含む人は 6 箇月に1回)実施されているか、有所見者についての意見聴取が行われているか…。
・健康管理体制の整備
衛生管理者・産業医・衛生推進者等、方に準拠した選任や届出がなされているか、衛生管理者や産業医の巡視が月1回以上行われているか、長時間労働者についてきちんと審議されているか、…。
以上の視点を参考にしていただき、整備に心掛けていただければ、臨検に合い是正勧告を受けたとしてもさほどに脅威に思うこともない。勧告に逆らったり従わなかったりする場合は懲罰の対象となることを覚悟しよう。


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posted by つぼみ応援団 at 06:03| Comment(0) | 法令への対応 | 更新情報をチェックする
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