2015年05月01日

◆事業所内規則(就業規則)(バックナンバー)

正社員、パートに関わらず、常態労働者数が10人以上になると、監督署への「就業規則」届出は義務となり、労働者の意見書を添え必ず提出しなければならない。また、変更の時も同様である。
だがもともと、「就業規則」は従業員の権利を表示するのみではなく、労働基準法その他によって無制限に認められている労働者の権利に枠をはめるためにこそ作成しておきたいものなのである。事業所のためばかりでなく、まじめに働く従業員が報われるよう、事業所の規律を定めておきたい。もちろん、労働基準法その他に抵触するわけにはいかないが、面倒な手続きのいらない「労働者数10人未満」のうちに、試行錯誤して大まかな形を作っておくことをお勧めする。
インターネットで「労働局 就業規則」で検索してみると、たくさんの手引きやひな形がヒットするので、その中から、Word書式でダウンロードできるものを選び、1つひとつ吟味しながら加除をしていくのが、まあ手っ取り早い。必ず記載しなければいけない事項は、「労働時間の始まりと終わりの時間および休憩時間」「休日・休暇」「賃金はどのように支払われるのか」「退職するときのきまり」である。目次をみるとたくさんの見出しがあるが、最低限、その章は必要ということだ。また、これらは労働契約を結ぶ際に必ず明示しなければならない事項でもあるので、人を雇う際にはあらかじめ決めている事項でもあるはずだ。ただしここで注意しなければならないのが、個別の労働契約を定めてもそれが「就業規則」に抵触する場合は、その部分が無効となるということだ。例えば、「労働条件通知書」によって、試用期間を6か月と定め、しかし「就業規則」には3ヶ月と規定している場合は、「3ヶ月」の定めが有効になる。そのあたりを考慮して定めておきたい。職種や勤務形態(正社員、パート、等)ごとに異なる定めとしても有効なので、職種ごとに列挙するか、または個別に作成しても良い。異なる定めが記されていない場合は、全ての労働者に均一に有効ということになる。
ひな形を見てみて、一般的に社会人常識と思われることも文章になっているのは注意喚起に役立つが、読んでいて理解不能なものや自分の事業所にそぐわないと思うものは思い切って削除しよう。逆に、事業所として入れておきたいと思う項目は追加する。全ての従業員に均一的に制限したい又は守ってもらいたい事項を列挙しておく。
例えば、「解雇事由」「懲戒事由」は出来るだけ列挙して、従業員に周知しておくことで、後の争いを防げるだけでなく、日々の業務態度を自ら律する指針としても役立てたい。
このように自分で加除を加えていくと、この規則は法律に適っているのだろうかと不安に思うことも多いと思う。一つ一つを専門機関や法で確認していただくか社会保険労務士に相談いただくのが一番確実ではあるが、当初は「一般的ルールとして有効だろう」という自分の価値判断で構わない。結局、規則を作成していない事業所ではその価値判断のみで運営しているのである。それでも書面化して周知するかどうかの違いは、従業員に対する未然の意思表示であり、均一的に実施されるという安心感を必ずや与えるであろう、その効果の違いなのである。いずれは(できれば就業規則を監督署へ届け出る段階で)専門家と相談しつつ、会社を守るための「就業規則」を是非とも作成していただきたい。
ところで「就業規則」の効力発生は、監督署への届出ではなく、従業員への周知である。従業員全員に告知し、いつでも見れるよう事業所内に設置していることが肝要である。


※この記事は、平成25年度の諸法令を基に作成しています。改正・改定の多い領域ですので、最新情報は都度ご確認いただけますようお願い申し上げます。

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とりあえず簡単に手っ取り早く「就業規則」を作成する方法として、ひな形の利用をお勧めしたが、急場しのぎができたらできるだけ速やかに、事業所独自の規程に変更したい。賃金の支払い方、勤務時間の形態、罰則、その基準やどこに重きを置くかは事業所ごとに千差万別である。
「就業規則はあるができるだけ従業員に見せたくない」という声を時々耳にするのだが、周知できない就業規則でははっきり言ってただのゴミでしかない。何かあった時には逆にそれが足かせになるだけである。実態に即したものを規定化していくべきである。
労働局等が出している就業規則のひな形のデメリットとしては、労働者の権利に重点をおいたものになっていることである。労基法やその他の法令に抵触しない範囲で枠を設けていく、そういう手入れをしてこそ、納得のいく独自の「就業規則」ができるのである。また、事業所の成長に合わせても変化していくはずである。怖がらず「就業規則」の変更はこまめに行おう。


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